【講義のねらい】
一橋大学国際・公共政策大学院では、「公共部門のリスクマネジメント」について、官民学連携の研究プロジェクトを進めてきました。そのコンセプトは、災害対策の実施主体である自治体、住民、民間企業が、それぞれ自発的に防災に取り組む努力を促進することであり、そのために必要となる社会システムのあり方や自治体の役割について検討を進めてきました。
また、学際的な研究として、災害時における企業の事業継続や医療・介護の提供体制についても検討を行ってきました。本講義は、こうした研究によって開発された、公共部門のリスクマネジメントに関する教育モデルに基づいて行われるものです。その内容は、自治体の災害対策の実際から始まり、続いて、それを支える行財政システムを取り上げ、官民の事業継続など、より実践的・先進的な事例研究からなっています。
【授業の内容と進行計画】
講義では、受講者が自然災害に関する公共政策の役割と課題について理解を深め、経済学、法学、民間市場原理等のアプローチから解決策を自ら導き出す力を培うことを目指しています。この講義は、一橋大学国際・公共政策大学院の冬学期集中講義として開講されますが、本大学院の学生のほかに、自治体、市民団体および企業などで災害対策に携わっている方々をはじめ、広く公共経営におけるリスクへの対処に関心のある方々の参加も呼びかけております。
【受講者数及び対象者】
学生、自治体職員、NPO等の市民組織構成員など。 募集人員は20名。