NO.06:堀井里子さん(グローバルガバナンス,2009年修了)
私は学部を卒業後、メキシコでの在外公館勤務を経て、国境を越えた人の移動に関する政策を研究する必要性を感じ、本学IPPに進学しました。
修了後は、更にその問題関心を掘り下げたいと思い、渡英し、難民問題に関する修士号取得、現在は政治学博士課程でEU国境管理政策を研究しています。海外で研究するにあたり、IPPでの2年間を通じて学んだことが非常に有益でした。
まず、授業を通して理論面における基礎を築くことができました。国際関係論や国際法は私にとって新しい分野でIPP入学当初は苦労しましたが、この苦労がなければイギリスでの授業についていけなかったと思います。また、政策分析の方法論の授業を通して仮説の構築、検証、変数の測定や事例研究の方法を学べたことも貴重なものでした。加えて、官庁や国際機関でのインターンの経験を通して、政策形成過程に触れることもできました。私にとって何よりも刺激になったのは、1年目の終わりに参加した米国現地調査です。これは、担当教官の指導の下、他2名の学生とともに米国で移民政策の専門家に聴き取り調査をするという内容でしたが、この活動を通して、ヒヤリング対象者の選定からアポイントメントの取り方、日程の組み方など、調査内容のみならず、現地調査を行う際の一連の業務フローを習得する機会を得ました。こうした活動を通して、IPPで築いた様々な人とのつながりは、現在の私の財産になっています。
公共政策に関する専門的・実践的知識のインプット・アウトプット両方の機会を与えてくれたIPPは、私の可能性を拡げてくれたと確信しています。