カリキュラム概要

  • 1. カリキュラムの特色
  • 2. カリキュラムの基本的な仕組み
  • 3. 履修用件


1.カリキュラムの特色

国際・公共政策大学院では、法律学・行政学、国際関係、経済学の先端的研究も踏まえて、さまざまな政策問題に対して、多面的にアプローチします。 学生は、自分の専門分野を持つという意味で、所属するコース・プログラムを選択しますが、専攻を横断して、様々なアプローチを学ぶことが奨励されます。 そのため、カリキュラムの中には、「横断型科目」と呼ばれる科目も提供され、学生・教員が異なる視点から多面的に政策を議論する機会が設けられています。 それぞれのアプローチの良さを取り入れて、多面的に深く政策を分析し、立案する能力を備えた人材を育てて行きたいと私たちは考えています。

2.カリキュラムの基本的な仕組み

カリキュラムの基本的な仕組みは下図のようになっています。

図1

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【アカデミック・トレーニング(テクニカル・トレーニング)】
ここで開講される科目は、「基礎科目」、「コア科目」、「応用科目」、「事例研究」の4つに分類されます。

1.基礎科目
基礎を学ぶための科目です。政策分析や政策立案を行うのに必要な基礎知識を習得します。

2.コア科目
基礎科目を通じて得た知識を「コア科目」によってより具体的で専門的な知識で補強しつつ、政策立案へとより直接結びつく「コア」な部分をおさえます。

3.応用科目
「コア科目」を学んで、基礎とそれを補強する専門知識を身につけたら、次は、その知識をどう使うのかについて学びます。いままで学んできた知識をどのように応用すればよいのか、応用能力を鍛えることが目的です。

4.事例研究
ここまでは、おもに知識を獲得し、それをどう使うかという思考方法を習得するための科目でしたが、さらに具体的な過去の、または現在進行形の事例に接し、実際に当事者として問題を見据えて自分で答えを見つけだすという訓練が必要になります。自分でたてた政策を他の人たちに納得させ、その実現可能性、問題解決可能性、将来的発展性などを説得する必要があります。
そこで、実際に実務にかかわっている教員などを中心に、この「事例研究」という科目が設定されています。

【プロフェッショナル・トレーニング】
さらに国際・公共政策大学院では、専門職大学院として、上記のような 一連の講義の中で与えられるアカデミック・トレーニングに加えて、プロフェッショナル・トレーニングが行われます。
その場となるのが図1の中に見られるワークショップ等の科目群です。そこでは、プレゼンテーションの技能、議論や討論を活発にそして円滑に進めていくためのテクニック、与えられた課題をレポートにまとめる力など、社会で実際に活躍する際に必要とされる様々なスキルを身につけていきます。
いわば、広い意味でのコミュニケーション能力(深く聴く力と伝える力)を高めること、これがプロフェッショナル・トレーニングの目標と言えるでしょう。

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次々と起こる新しい課題に対して、流動的な組織の中で、1つ1つ着実に結果を出して行かなければならない。これが、現代の組織の1つの特徴です。そのような慌ただしさの中で、よい成果を生み出していくためには、専門性の高い見識と技能とともに、高いコミュニケーション能力を身につけておくことが要求されます。
国際・公共政策大学院では、充実したアカデミック・トレーニングとプロフェッショナル・トレーニングを通して、そのような要求に応えられる人材を育てていきたいと考えています。

3.履修要件

 修士号(専門職)取得までに必要とされる履修の要件について、その概要を説明しておきましょう。 なお、細かい履修要件等は、各プログラムで異なりますので、詳細は各プログラムのサイトを見てください。

まず、修士号(専門職)取得のために必要な単位数としては44単位を予定しています。 ここで「単位」というのは、原則として「2単位」=「週1回の半年講義の修了」によって計算されます。

このような単位数の規定に加えて、各プログラムでは「必修科目」と「選択必修科目」の履修要件が定められています。 必修科目とは文字通り、全員が必ず履修しなければならない科目です。
一方、選択必修科目は、その中から指定された単位数を満たすように履修しなければならない科目群のことです。 どの科目を選択するかは、各自の関心によって決められることになります。

上記の履修要件は、アカデミック・トレーニングとプロフェッショナル・トレーニングの両方を含む形で定義されていますので、参加者は、これら2つのトレーニングを共にバランスよく受けることが要求されます。

なお、国際・公共政策大学院では、いわゆる修士論文の執筆は原則として要求されていませんが、各プログラムでは、通常プロフェッショナル・トレーニングの一部として、リサーチ・ペーパーあるいはポリシー・レポートと言われる報告書を作成することが要求されています。 これは、政策に直結する質の高い報告書を書くということが、国際・公共政策大学院の卒業生には期待されている同時に、報告書を完成させる過程で、アカデミック・トレーニングの中で学んだことを現実の政策問題に適用して行く能力を身につけることができると考えるからです。