NO.07:増本佐千子さん(公共法政,2009年修了)
学部を卒業して以来、主に教育・保育関連の職務に従事して参りましたが、子どもが通う公立保育園の民間委託を契機に、行政陳情や議会傍聴などを経て保育政策に対して問題意識を抱くようになり、NPO法人の理事の傍ら一橋大学国際・公共政策大学院(IPP)公共法政プログラムに進学致しました。
1年次は、大学院の講義の他に、学部生向け「社会実践論」の聴講、一橋大学OB会:如水会の寄付講座「キャリアゼミ」のTA(ティーチング・アシスタント)に従事し、各界第一線で活躍されている学内外の諸先輩方との交流に積極的に参加し、社会人としてのスキルアップに努めました。後期は、地方自治体でのインターンシップに参加したり、学内の研究助成が採択されドイツの保育現場の視察に行く機会をいただきました。「政策法務」や「租税論」、「社会保障論」など前期に教室で学んだ理論と自治体の施策現場での差異を体験的に学べたことに加えて、国内外の保育関係者や有識者との意見交換の機会を得たことは、修士論文執筆にあたり示唆に富んだ経験となり、保育政策の現状を分析する上で大変有意義な1年間でした。
2年次には、そうした現場感覚を大切にしつつ、「政策分析」や「外交政策」、「公共経営論」などグローバルガバナンスや経済学など学際的な科目を履修し、学びに幅と深みを得たことは、現在代議士秘書として永田町に勤務する上で、大きな糧となっております。
折しも、政権交代後の2010年は、参議院選挙、議員会館の移転、議会制度120周年などの大きな節目の年でもありました。日々ダイナミックに躍動する政局の渦中において、国の制度設計(グランドデザイン)の過程を目の当たりにし、本学で学んだリーガルマインドが大いに役立っております。
育児と学業の両立は大変なこともありましたが、家族の協力と共に、子育て中の院生仲間:「ママさん院生」の存在が励みとなりました。互いに支え合って論文執筆出来たことは本当に良い思い出です。緑豊かなキャンパス、蔵書が豊富な図書館、温かくも厳しい教授陣と学友たち・・・学問の深淵に臨む環境として申し分ありません。 臨機応変な判断力や幅の広い人間力を求められる現在、本学で過ごした2年間とご縁をいただきました一橋ネットワークを誇りに、これからも精進して参りたいと思います。