NO.15:中谷 亮太さん(公共経済、2008年修了 )
国家予算に助言する仕事の根幹をなす、専門知識やコミュニケーション能力はIPPで培いました
一橋大学経済学部を卒業する際、専門性を身につけ、それを活かす仕事に就きたいとIPPに進学しました。IPPでは、先生だけでなく、政府や企業で公共政策に関わる方による講義やセミナーが毎週行われ、学部で学んだ経済学の原理や理論を実際の社会でどう活かすかという視点を身につけることができました。
また、公共経済プログラムの特色である「コンサルティング・プロジェクト」では、相手のニーズに応えるというアプローチを学びました。さらに、医療経済のプロジェクトに参加し、アメリカ各地を回る研修旅行で医療政策関係者などと意見交換できました。この経験が、コミュニケーション力の基礎を培う機会になったとともに、国境をまたにかけて活躍するエコノミストを目指す動機にもなりました。
修了後、日本銀行に入行しました。地域企業の業績動向をヒアリングする業務などで、現場の方々と円滑にコミュニケーションが取れたことは、まさにIPPでの多様な学びのおかげだと思います。
その後、金融のみならず、様々な国の経済や政策全体を視野に入れた仕事に魅力を感じ、IMFに転職を決めました。これまでパプアニューギニアやボスニア・ヘルツェゴビナで、エコノミストとして担当国に財政政策の助言を行う仕事などを担当しました。国家予算の数字などを読んで、経済の医者として財務大臣に助言するといった仕事です。その仕事の根幹となる専門知識やコミュニケーション力は、IPPで培ったものがベースとなっていることは間違いありません。
(国際通貨基金(IMF)勤務)