1.基礎科目
まず、国際関係の基礎を学ぶために、基礎科目が用意されています。現在の世界政治や国際関係は、多数のアクターが関与しており、様々なイシューをめぐって複雑な展開をみせています。
この複雑な世界の実態を知るために、国際関係の理論、国際関係の歴史的トレンド、そして、国際法という法規範のもつ役割などについて、基礎的な知識をじっくりと身につけてもらおうというのが、この科目のねらいです。
同時に、globalな公共性とはなにか、についてもじっくり考えてもらうことも、この科目の目的です。とくに留学生向けには日本をより深く理解してもらうことをねらって、「日本研究I」と「日本研究II」を開講しています。
これらの科目を通じて、現代の世界政治や国際関係の実態について、より明確なイメージをはぐくみつつ、達成されるべき公共性とはなにかについて考えていくことで、国際政策の形成力の基礎を養ってもらいます。
2.コア科目
基礎科目で、現在の国際関係や世界政治についてのイメージを掴んだら、もうすこし専門的な問題についても知識と思考の方法を身につけてもらいます。そのために設定されているのが、この「コア科目」です。 グローバル・ガバナンスのための政策立案を試みる上で、基礎科目を通じて得た知識は、より具体的で専門的な知識で補強されれば、政策分析や政策立案のためのきわめて強力な道具となります。つまり、この「コア科目」では、 政策立案へとより直接に結びつく国際関係の「コア」な部分を取扱い、学ぶのです。
3.応用科目
「コア科目」を学んだら、次は、もっと政策立案に直結する専門知識と、それをどう使えばよいのかについて、学んでいくことになります。そのためには、実際にどのような具体的な国際関係の問題があり、実際にどのような政策が立てられているのか、 そして、それがどのような問題点をはらんでいるのかなどについて、知ることが必要になります。これらを学べば、いままで学んできた知識をどのように応用すればよいのかがわかってくるでしょうし、また、国際関係の実態のより複雑な局面を知ることになるでしょう。
4.事例研究・ワークショップ
ここまでは、おもに知識を獲得し、それをどう使うかという思考方法を習得するための科目でしたが、グローバル・ガバナンスのための国際政策形成のプロになるためには、もっと具体的な過去の、または現在進行形の事例に接し、 実際に当事者として国際的な問題を見据えて自分で答えを見つけだすという訓練が必要になります。それだけではなく、自分でたてた政策を他の者たちに納得させ、その実現可能性、問題解決可能性、将来的発展性などを説得する必要があります。 そこで、実際に実務にかかわっている教員などを中心に、この「事例研究」や「ワークショップ」という科目が設定されています。